堺
大阪府堺市
堺の刃物作りの歴史は16世紀にまでさかのぼるとされます。ポルトガル商人が日本にたばこを伝えた際、 葉たばこを刻むための専用包丁の技術も一緒に伝わり、もともと金属加工の技術を持っていた堺の 職人たちがこれを取り入れて高品質な刃物を作るようになったのが始まりとされます。
その後、江戸時代には幕府が堺で作られた刃物に品質保証の「堺極」の刻印を許可し、堺打刃物の 名を全国に広めました。1982年には「堺打刃物」が経済産業省の伝統的工芸品に指定され、「堺打刃物」 「堺刃物」は地域団体商標としても登録されています。
堺の刃物作りの大きな特徴は分業制にあります。鍛造・研ぎ・柄付けをそれぞれ専門の職人が担当する 体制が今も続いており、鍛造の工程だけを一人前にこなせるようになるまでに10〜15年以上かかる とも言われます。もう一つの主要な刃物産地である関(岐阜県)が、機械化された両刃の洋包丁生産で 知られるのに対し、堺は手仕事を重視し、柳刃・出刃といったプロ向けの片刃包丁や、最も高度な 技術を要するとされる本焼き(一枚の鋼から作る刃物)に強みを持ちます。
現在の堺は、特に寿司職人をはじめとする料理のプロが使う片刃包丁の分野で、国内シェアの大部分を 占めています。