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輪島

石川県輪島市(能登半島)

能登半島の先端に位置する輪島市は、日本で最も格式の高い漆器の産地とされます。近隣の三引 遺跡からは約6,800年前の漆の痕跡が見つかっており、地域の漆文化は数千年の歴史を持つと されます。現存する輪島塗そのものの最古の作例は1524年の重蔵神社の朱塗りの扉とされ、 現在に続く技法は江戸時代初期の寛文年間(1661〜1673年)に形作られました。その後、北前船の 交易ルートに乗って江戸中期以降、全国に広まりました。

輪島塗を技術的に特徴づけるのは下地作りにあります。地元で採れる珪藻土を焼成して作る「地の粉」 を生漆に混ぜ、粗い粉・中くらいの粉・細かい粉と段階を分けて塗り重ね、極めて丈夫で衝撃に 強い下地を作ります。欠けやすい縁の部分は「布着せ」と呼ばれる布での補強も行います。1つの器が 完成するまでの工程は、伝統的な製法では124にもおよぶとされ、下地・中塗り・上塗り・ 加飾(蒔絵・沈金など)をそれぞれ専門の職人が分業で手がけます。

輪島塗は1975年5月10日に国の伝統的工芸品に指定され、1977年4月25日には漆器の産地として 初めて重要無形文化財に指定されました(輪島漆器製作技術保存会が保持)。2024年1月1日の能登 半島地震(マグニチュード7.6)では輪島の街も大きな被害を受け、朝市通り周辺で約200棟が 焼失する火災も発生し、漆器の工房も少なからず被災しました。復興は現在も進行中で、仮設の 工房で製作を続ける職人も多く、2026年時点では小規模な工房を中心に、入手のしやすさや 納期に影響が残ると見ておいた方がよいです。

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出典