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漆

うるし

漆の木から採れる樹液を精製した天然塗料です。乾燥ではなく湿度の中での化学反応で硬化し、極めて硬く光沢のある塗膜になります。

漆は、ウルシの木(学名 Toxicodendron vernicifluum)から採れる樹液を精製した天然塗料です。 主成分のウルシオールが、酵素(ラッカーゼ)の働きで酸化・重合することで硬化し、極めて 硬く、光沢があり、化学的にも安定した塗膜になります。

多くの人が誤解しやすいのが硬化の仕組みで、漆は一般的な塗料のように乾燥して固まるの ではなく、むしろ湿度と温度が保たれた環境(「室(むろ)」と呼ばれる専用の棚)でしか 硬化しません。乾いた部屋に置いたままでは、いつまでもべたついた状態が続きます。

硬化前の生漆に含まれるウルシオールは、ウルシ科の植物であるツタウルシなどと同じ系統の 成分で、肌が敏感な人が生漆に触れるとかぶれを起こすことがあるため、職人は扱いに注意を 払います。完全に硬化したあとの塗膜は化学的に安定しており、飲食にも安全なため、日本では 数千年にわたって食器の塗装として使われてきました。北海道の垣ノ島遺跡からは、世界最古級と される約9,000年前の漆製品も見つかっています。