わび・さび
わびさび
不完全さ・移ろい・経年の跡に美を見出す日本の美意識です。「侘」(簡素・つつましさ)と「寂」(時を経た趣)という別々の言葉が由来です。
わび・さびは、もとは別々の言葉だった「侘」と「寂」を組み合わせた概念です。「侘」は もともと孤独や困窮を表す言葉でしたが、やがて簡素さや飾らないことへの謙虚な 共感を意味するようになりました。「寂」は、錆が浮いたり表面が風化したりするような 経年変化そのものを表す言葉でしたが、時間や使用が残す静かな趣を指すようになりました。 2つを合わせると、完璧に磨き上げられた新品ではなく、不完全なもの・移ろうもの・ 目に見える経年の跡に美を見出す考え方になります。
この美意識は、16世紀の茶の湯を通じて形づくられました。中でも千利休は、当時流行して いた華美な輸入陶磁器よりも、素朴でいびつな器や自然素材を好んだとされます。焼き物 においては、左右非対称の形、貫入のひび、薪窯が生む再現できない自然な景色に わび・さびが表れ、これらは隠すべき欠点ではなく、その器が作られた証として 評価されます。