和菓子の8つの製法分類とは|農水省の公式区分を徹底解説する
和菓子 の分類の仕方は1つではありません。 日持ちを決める水分量の区分と並んで、農林水産省は製法、つまりどう実際に 作られたかを基準にした8つの公式区分を定めています。
8つの区分
餅もの。餅 を軸に、他の要素と 組み合わせたり形を整えたりして作る区分です。柏餅・ 大福・おはぎはいずれもここに含まれます。
蒸しもの。焼いたり煮たりせず、型や器に入れて蒸して作る区分です。蒸し 饅頭や、栗を蒸し込んだ栗蒸し羊羹が代表例になります。
焼きもの・平鍋もの。平らな鉄板の上で直接焼く区分です。 どら焼きや桜餅がここに含まれます。
焼きもの・オーブンもの。同じ「焼く」区分でも、鉄板ではなくオーブンを 使うものです。栗饅頭や、和菓子に隣接する存在として扱われることもあるカステラ (日本で長い歴史を持つ洋菓子)が典型例になります。
流しもの。液状の生地を型に流し込み、固めて作る区分です。羊羹がこの区分を 代表する存在になります。
練りもの。餡(詳しくは あんことは何かで扱っている)を練って主原料にし、 流し込むのでも焼くのでもなく手で 形作る区分です。練りきり と こなし という2つのよく知られた 様式があり、見た目は似ていても互換性はありません。練りきりは白餡にもち米 (時に山芋も)を加え、加熱しながら練り上げる、なめらかで水分を保った 生地で一般に関東に結びつけられます。こなしは白餡に小麦粉を混ぜて蒸し、 小麦粉のグルテンを働かせることで、より弾力のある食感になり、一般に 京都・関西に結びつけられます。どちらも季節の意匠を手で形作るという同じ 目的でよく使われますが、材料も技法も実際には異なります。こなしが京都の伝統に とって特に中心的な存在である理由は、こなしが具体的な小麦粉を使う以上、 和菓子全体がグルテンフリーとは限らないことも意味します。
おかもの。別々に作った部品を組み合わせて仕上げる区分です。 最中 がこの区分の代表例で、別に 用意した餡を、薄くパリッとした皮で挟んで仕上げます。名前自体にも由来が あり、平安時代の和歌の一節「最中の月(さいちゅうのつき、満月の意)」 にたどれます。丸く白い皮が満月を思わせたことから、江戸時代の客がこの 言葉と結びつけたとされます。皮自体は、もち米を蒸して乾燥させ、粉に挽き、 その粉を型に入れて焼くという、他のどの製法とも異なる独自の技法で作られ、 これが最中特有の軽くパリッとした食感を生んでいます。
打ちもの。型に押し込んで固める区分で、多くは砂糖から作られ、焼いたり 蒸したり流したりはしません。 落雁 がこの区分を代表する存在に なる(詳しくは落雁とは何かで扱っています)。
よくある質問
この8分類は誰が定めましたか?
農林水産省です。製法を基準にした和菓子の公式分類として公表しています。
和菓子の8つの区分とは?
餅もの・蒸しもの・焼きもの(平鍋もの・オーブンもの)・流しもの・練りもの・おかもの・打ちものの8区分です。
この分類は水分量による分類と同じものですか?
違う、それぞれ別の問いに答える分類です。水分量による区分(生菓子・半生菓子・干菓子)は日持ちを決め、この製法区分はどう実際に作られたかを説明します。1つの水分区分の中に、複数の製法区分の和菓子が含まれることもあります。
大福はどの区分に入りますか?
餅ものです。ついた餅を軸に作られるためです。
羊羹はどの区分に入りますか?
流しものです。液状の生地を型に流し込んで固めて作るためです。
まとめ
農林水産省の公式な和菓子分類は、製法を基準にした8区分(餅もの・ 蒸しもの・焼きもの2種・流しもの・練りもの・おかもの・打ちもの)から なります。日持ちを決める水分量の区分とはまったく別の視点で、実際にどう 作られたかを説明します。大福・どら焼き・羊羹といった身近な和菓子も、 それぞれ具体的な区分名を持っており、分類の外側にある存在ではありません。